第6章 不死の華 「前編」
知らないはずがなかった。
キサラは母が居なくなってから、ずっとヴァンパイアの事研究してきた。
ヴァンパイアになってしまった人間を戻す薬は作れるのか、ヴァンパイアが脅威の力を出すことを出来なくする方法はあるのか。
様々な薬、弾丸の種類、魔術、実験などあらゆる方向性に視野を広げ、研究してきた。
そして、キサラはある薬を作るのに特殊な花が必要になった。
キサラ:「不死の、華……。」
マルク:「君なら知っているだろうと思った。この花の効果も、意味も、全て。」
そう言うとマルクは手折った華を片手で握り潰した。
その瞬間、華は砂のようになり、さらさらとマルクの手の平から零れ落ちて行った。