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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第6章 姫巫女と入学式


 寮のテーブルからは、上座に座る教師の姿がよく見えた。
 その席の端には、ハリーの友人であるハグリッドの姿もある。

 中央の大きな金色の椅子に座っているのは、ホグワーツ魔法学校校長のアルバス・ダンブルドアだ。
 半月の眼鏡に銀色の髪と髭を持つ老人の姿は、魔法使いであれば誰もが知っている。

 魔法使いの中で最も偉大だと言われているのは、それだけの偉業を成し遂げてきたからだ。

 一際目を引くのは、大きな紫色のターバンを頭に巻いた、神経質そうな若い男性教師だろう。
 ずっと見ていたからだろうか。
 シオンの黒い瞳とその教師の目が合う。


「――……っ⁉」


 瞬間――シオンの背筋にゾッと悪寒が走った。
 得体の知れない感覚に、シオンは身体を震わせる。

 目が合った……それはターバンの若い教師のはずなのに。
 それとは違う『何か』と目が合ってしまったような。
 そんな感覚だった。

「どうしたの、シオン? 大丈夫?」

「え……あ……はい……大丈夫、です……」

 心配そうに声を掛けてくれたジョージに、シオンは曖昧に言葉を濁す。

 次にターバンの教師を見たときは、特別何も感じなかった。
 気のせいだったのだろうか。

 やがて、組分けは進み、残すはロンともう一人だけとなった。
 ロンの前の生徒はレイブンクローへと選ばれている。

 せっかくだから、ロンとも同じ寮になりたい。
 そう考えている間に、ロンは名前を呼ばれ、椅子へと座っていた。
 やがて、被るか被らないかと言うところで、組分け帽子が『グリフィンドール!』と叫んだ。

「やったぁ! やったよ、ハリー!」

「うん! やった! ロンも同じ寮だ!」

 ハリーと手をパチンッと合わせると、ロンが崩れるようにハリーの隣に座った。
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