• テキストサイズ

ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第6章 姫巫女と入学式


 新入生たちが岩と小石が敷き詰められた地面に降りると、ハグリッドがネビルを呼んだ。

「ほい、お前さん。こいつはお前さんのヒキガエルかい?」

 ボートを調べていて見つけたらしく、ヒキガエルが「ゲコッ」と鳴いた。

「トレバー!」

 目に涙を溜めて喜ぶネビルが、丸い顔をヒキガエルのトレバーにすり寄せる。
 その様子を見て、ハリーがロンに耳打ちした。

「すごいね。シオンの占いが当たったみたい」

「うん。僕も今度占ってもらおうかな?」

 その声は聞こえていたが、シオンは何も答えず、ただネビルのヒキガエルが見つかったことに、ホッと胸を撫で下ろした。

 下船した一同は、再び暗いゴツゴツとした道を歩かされ、シオンはもう一度《鬼火》たちを呼び、道を照らしてもらう。

 やがて辿り着いたのは、巨大な樫の木の扉の前だ。
《鬼火》たちがフッと音もなく消えたのは、シオンが命じたからである。

 ハグリッドは振り返り、生徒たちが全員いることを確認すると、大きな拳で扉を三度叩いた。

 扉がギ…とゆっくり開くと、中ではエメラルド色のローブを纏った、背の高い魔女が立っている。
 黒い髪をきっちりと結い上げて佇む姿には隙がなく、厳格な顔つきをしていた。

「マグゴナガル教授、イッチ年生の皆さんをお連れしました」

「ご苦労さま、ハグリッド。ここからは、わたくしが預かりましょう」

 マグゴナガルと呼ばれた女性が扉を開け放ち、玄関ホールへ新入生たちを招き入れる。

 玄関ホールは大きく、シオンの邸も相当大きいが、それよりもさらに広かった。
 石壁は松明の炎に照らされ、天井はどこまでも高く、大理石の階段が上へと続いている。

 マグゴナガルの後を追い、新入生たちは大広間の入口前まで案内された。
/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp