• テキストサイズ

ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第18章 姫巫女と禁じられた森


「ユニコーンの血……じゃあ、この先に……」

 バクバクと心臓が鳴っている。
 もしかしたら、ユニコーンを襲った犯人も近くにいるのではないだろうか。そう思うとどうしようもなくて、シオンは紫扇とサカキの杖を強く握りしめた。


 ――ガサガサッ!


 蹄(ひづめ)が地面を蹴る音と同時に茂みが大きな音を立てる。



「「ぎゃあぁぁぁあぁぁぁ――――――ッ‼」」



 マルフォイとネビルが、禁じられた森に響き渡るほどの大きな悲鳴を上げ、ハグリッドから教えられた光を杖から飛ばした。
 赤い色――身の危険を感じたときに飛ばす色の光だ。

「リュウグウ! どうにかしろ!」

「ど、どうにかって――……」

 目に見えない相手にどう戦えというのか。
 背中に隠れるマルフォイとネビルに押し出されながら、シオンはグルグルと様々な最悪の予感を前に、ただ固唾を呑み込んだ。
《鬼火》たちはシオンを守ろうと火力を上げて青々と輝く。

 すると――……。

「人の子、肩の力を抜きなさい。害を与えるようなことはしません」

「けん、たうるす……?」

 茂みから現れたのは、赤い髪と髭(ひげ)を持つ人間――しかし、下半身は赤みを帯びた栗毛の馬。西洋に住む半人半馬の妖怪だ。

「シオン! ドラコ、ネビル! 無事か!」

「ハグリッド!」

 石弓を構えるハグリッドの登場で、シオンはホッと肩の力を抜いた。後ろにはハリーとハーマイオニーの姿もある。
/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp