第5章 君だけ特別(乱数)
「らむだぁ、私はらむだのこと、うぅ、すき、他の女の子のとこに行っちゃやだぁ」
「僕もかなたちゃん好きだよ~!他のおねーさんのとこなんか行かないよぉ」
「...この前、ふぇ、綺麗なおねーさんといるとこ見たの、うぅ、それで、楽しそうにしてたから...私が彼女でいいのかなって思っ、ちゃってぇ」
泣きながらそう言うかなたちゃん
「...え?え?、綺麗なおねーさん?...僕、かなたちゃんのこと好きになってからは、おねーさん達と連絡取ってないし会ってないよ?」
「え...茶髪でショートカットで和服を着た綺麗なおねーさん」
茶髪でショートカットで和服って、1人しか思いつかないんだけど!
「かなたちゃん、それ、あはははははっ」
「え...らむだのバカっ!私は真剣にっ!」
「いたっ、かなたちゃんごめん叩かないで、多分かなたちゃんが見たその人は、おねーさんじゃないよっ!男の人!」
「...ん?ごめんらむだ、もー1回言って?」
「だ~か~ら~、男の人だよ!ほら、この人でしょ~?」
この前ポッセ3人で会ったときに撮った写真を見せると、かなたちゃんはしばらく固まっていた
あの時は、幻太郎と2人で遅刻してくる帝統を待っていた
「僕の最高のポッセだよ!」
「う、うわ~ん、らむだごめんなさいぃ」
「あははっ、かなたちゃん泣かないでぇ、よしよし~」
「らむだっ、ぎゅー、してほしぃ」
「いいよっ!ぎゅー!かなたちゃん、僕もごめんね?ちゃんと紹介しとけばよかったな」
「ううん、疑ってごめんなさい」
気づくと僕は、かなたちゃんをじーっと見つめていた
「ら、乱数、あの」
「かなたちゃん、よ~く聞いててね?」
「う、うん」
「僕が初めて本気で好きになったのは、かなただけだよ、これからも特別は、かなただけだから、かなたの特別も僕だけがいい」
「...うん!...うぅ、うわ~ん」
また泣き出してしまったかなたちゃんを抱きしめ、背中を撫でていると、いつの間にか彼女は眠ってしまっていた
僕も一緒に2度寝しよ~
「かなた、おやすみ」
穏やかな顔で寝ているかなたの唇に、キスを1つ落とした