第7章 桃色の花
ヒマリ…
皆が横たわり並んでる中
顔に白い布が被せられたヒマリの元に行く
「ヒマリ……おねがい、目を覚まして…」
私が彼女を救えたら…蘇らせる事ができたら…
「草遁……草花再生…」
無意味なのはわかっているものの、何もできない私は術をかけることしかできなかった
「どうして…………ヒマリ…
ぇ…あれ、これ…」
ヒマリの上着の胸ポケットから一緒に摘んだ花が出てきた
(持ち歩いてくれていたんだ)
術をかけたことによって押し花にされていたものがまた再生されたのだろう
ヒマリ…
「私やっぱり、何も役に立たないみたい。
ヒマリのこと助けたいのに…それさえできないの。」
(もう、帰る場所なんてないのに。)
ヒマリの持っていた桃色の花を私は自分のポケットに入れ、自室に戻った。