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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第1章 プロローグ


「どうしたのって、カカシ先生全然来ないんだもん。ナルト君たち怒ってるよー!先生はここにいるかなって思って!」

探しにきちゃったっ!と笑う彼女

「いつの間に気配をここまで消せるようになったんだなぁ、先生全く気づかなかったよ」

「え?そんな、消してないよ??先生の名前たくさん呼んだのに、もう少し〜って寝言言っていたし!」

なんたる不覚…
楓の気配が近くにあっても全く気が付かずにスヤスヤ眠る俺って……
忍者として大丈夫なのか……

「まいったなぁ〜、楓ちゃん、この事はナルト達に秘密ね?先生馬鹿にされちゃうから」

「ふふっ、いいよ。サスケ君も担当上忍変えろ!とか言いそうだもの!私、カカシ先生がいい。」

全くこの子は…サラッと嬉しいこと言う。
いつもそうなのだ。
俺は天才コピー忍者と呼ばれる一方、ずっとそれは俺じゃなくてもいいのではないかと、
心の底で悩んできた。
俺は、正直本当の俺がわからない。
やろうと思えばなんでも出来た。
それは俺の才能だったはずなのに、俺自身をわからないものにしていった。

なぜ……

なぜ彼女はまっすぐ俺を見て、
俺が良いと言うのか…
俺の何を見ているのだろうか…

太陽の光に照らされ透き通った瞳を思わず見つめてしまう。

「…カカシ先生?」

「おっと、わるい。早く行かないとね。」

ずっと見つめてしまうところだった…

楓より少し先を歩き始める


「ねぇ、カカシ先生!」


楓が立ち止まったまま、少し大きな声で俺の名前を呼ぶ。

振り向いた瞬間、

ドクン…

心臓が跳ねる音がした。

桜の花びらと共にキラキラとなびく髪、
澄んだ瞳でまっすぐこちらを見つめ

「先生、大好き!」

「…!!!」

これは……反則…。。

さぁ行こう!と先に走り始める楓
彼女が俺に向けて言う好きは恋愛感情ではないことくらい前からわかっている

それでも心拍数が上がってしまうのは、なぜなのだろうか…


(まいったなぁ…)


遠くなっていく彼女の背中を見て慌てて追いかける。

今日の任務も無事遂行できますように。
さっきより軽くなった足取りで土を蹴った。
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