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【YOI夢】ファインダー越しの君【男主&オタベック】

第4章 エピローグ


また、守道はロシアからの帰国直前、父親と在ロシアカザフ大使の両名から「お前さえ良ければ、カザフの大学へ留学してみてはどうか」と話を持ちかけられた。
試験に合格して一定の成績が認められれば、大学だけでなくカザフ政府からも奨学金が支給されると聞いた守道は、見事アルマトイにある大学の審査にパスしたのだった。
守道のカザフ留学の知らせを聞いたオタベックは、勿論喜んでいたが、一方で何故かそれが当然とばかりな反応を示す彼に、少々引っかかるものを覚えていたのだ。

「良く考えれば、出来すぎた話だよな。どうやら俺は、『カザフの英雄』の一声でお情けを頂いてたって事か」
「それは違う。俺はほんの少し話をしただけで、留学を勝ち取ったのは他ならぬ貴方の実力だ」
「ほんの少し、ねぇ…」
このカザフでオタベックの存在感は、絶大なものがある。
それは、独立から歴史の浅いカザフにとって、年若い『英雄』の彼は、まさにこの国の未来への希望でもあるからだ。
「じゃあ、もうすぐ俺の父の赴任先がロシアからカザフに変わるのも、君が話を通した結果かな?」
「え?そっちは知らない。第一、外交官の異動は日本の外務省や内閣府が決める事だろう?」
「…という事は、『こっち』については身に覚えがあるんだね?」
曰く有りげな守道の目つきに、オタベックは弾かれたように顔を背けた。
「改めて、この国にとっての君の存在と影響力を思い知らされてるよ。そりゃ『英雄』にとっちゃ、極東から来たしがない留学生なんてチョロいもんだよな」
「貴方は、以前俺に『勉強が続けられるなら何処でもいい』って言ってたじゃないか。貴方にとっても、悪い話ではない筈だ」
「まあね。でも、余りにもトントン拍子過ぎて面食らってもいるんだよ。かつてのピーテル留学でさえ、もうちょっと色々複雑な審査や手続きがあったのに。君達の口利きがあったとしても、果たしてここまで気前よく異国の学生を留学させてくれるものなのか、とね」
背景を考えると、守道にとってこの留学は、単なる勉学だけでは片付けられない気がする。
自分は、これからカザフという国とその国の若き『英雄』に、関わって行く事になるからだ。
強力な後ろ盾がある分、それに伴う結果を自分はこの地で出さなければならない。
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