• テキストサイズ

【YOI夢】ファインダー越しの君【男主&オタベック】

第3章 公私の国交


「確か、今度のワールドは日本開催だっけ。今からじゃチケット取るのは無理だろうけど、TVで君の活躍を応援するよ。その頃は、俺も日本に戻ってるから」
「え?」
守道の言葉に、思わずオタベックは声を上げる。
「俺、もうすぐ留学期間が終わるんだ。この先どんな進路を選ぶにせよ、一度帰国する必要がある」
「やはり、卒業後はお父様と同じ外交官の道を…?」
「いや。俺はそっちの才能も興味もないし、既に優秀な兄達が立派に後を継いでるからね。それよりも、もうちょっと勉強を続けたいと思ってるんだ」
守道の返事に内心安堵しながら、オタベックは彼に話の続きを促す。
「元々俺は、日本の大学で環境建築学を専攻してたんだけど、ピーテルで学んでいく内に、建築そのものに興味が出てきてね。取りあえず今の大学を卒業したら、別の学校で建築を学び直そうと思ってるんだ」
「日本国内でか?」
「勉強が出来るなら、何処だっていいさ。流石にまともなライフラインもないような僻地じゃ困るけど」
「…では、貴方の望む勉強が出来るのなら、外国でも構わないという事だな?」
「ん?まあね」
重ねて尋ねるオタベックに半ば気圧されるように答えた守道は、彼が手で隠した裏で、口角を綻ばせているのに気付かなかった。
先程よりオタベックの機嫌が直っているのを窺いながら、守道はふと脳裏に浮かんだある事について話を切り出した。
「君は、カザフ国内やウズベキスタンにある、かつての日本人抑留者達が建設に関わった建造物を知ってるかい?」
第二次世界大戦後、多くの日本人捕虜達がソ連軍によってシベリアその他へ送られたが、当時はソ連領だったカザフスタン等にも連行されていた。
「ああ。歴史的背景はさておき、彼らの作った建物は本当に素晴らしいと思う」
「それなら、いつか俺に絶好の撮影ポイントを案内してくれないか?将来俺が、先人たちの建築の手法にも負けないくらいのモノを作れるように…なんて」
「勿論だ!俺は日本人ではないから『いつか』なんて、曖昧な約束はしない。オフになったら一緒に行こう!」
「え?別にそんな急がなくても…」
「もう決めた。絶対だ!貴方も約束しろ」
「…判ったよ。こうなりゃ、もう一度ロシアか中央アジアの留学狙ってみるか…」
苦笑混じりに呟く守道を他所に、オタベックは含み笑いを隠せないでいた。
/ 40ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp