第2章 殺風景な部屋
予定を立てながら決めていくが、どうにも定まらない。
考え事を止めた瞬間、窓際のベッドからすすり泣く声が聞こえる。
自分以上に、彼女は不安なのだろう。
そんなのは当たり前だ。
突然売り物にされ、危うく処分されかけ、見知らぬ男に買われた。
「……寝れないな」
隣に腰掛け、背中を擦る。
そのぐらいのことしか、今は出来ない。
調査依頼を早速かけよう。
コイツの親もきっと心配している。
HRが終わり、下校のチャイムが鳴り響く。
「あー…女子は少し残ってくれ」
「なんだなんだ?」
「まさか……変な指導を……」
一瞬教室がざわついた。
それに対し睨みを聞かせると、そそくさと野郎共は外へと出ていく。
優先順位としては。
「最近の女子は…どこで服を買ってるんだ?」
「先生、どうしたんですか?」
「彼女?彼女?」
「…………」
言い訳を考え忘れていた上に通販でもよかったのではないかという疑問が頭によぎった。
しまった、と後悔する。
「…………傾向を…」
「なんだ、市場調査か」
「コスチュームの参考にでもなさるのですね!」
「…………そんなところだ」
「それなら……」
数店舗ブランド名を教えてもらうが、全くぴんとこない。
もう、スーパーかホームセンターでいいのではないかとすら思ってくる。
「そういえば、下着のサイズが合わなくなってきたのよね」
「計り直して買い直さないと形が崩れちゃうわよ」
「今からちゃんとしたものにして……」
「………」
(計る…、ちゃんとしたものに……)
「それは、どこを計るんだ?意味はあるのか?
崩れるというのは、主にどの………」
「………」