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【ヒロアカ】コスミックロジカル【裏】

第6章 なんで


絶望した。
また同じ毎日を続けなきゃいけないのかと。
でも、その、嫌だった毎日すら、思い出せない。
そう、思い出せなかった。

何がイヤだったんだっけ?
何がそこまで私は、思い詰めてたんだっけ?

それでも、根底で、生きることが悲しくて悔しくて。
でも、涙すら流れない。
私、なにされたんだろう。


それすらわからないのに、私は、この家でまた目覚めた。
彼は、先生をしている、ということだけ教えてくれた。
でもそれがどんな人なのかは、なんとなくわかった。
覚えていた。
きっと、頭が凄くいいんだなって。
そのくらいのことしかわからないんだけれども。
でも本当にそれしか教えてくれなかった。
私が自分のことを話せないからなのかもしれない。
話したくても、本当にわからない。
夜になると、訳のわからない不安に押し潰されそうになる。
知らない場所にただ一人。
そして、自分の名前しか覚えていないことへの不安。
迷惑にならないように一人で膝を抱えて泣くしかなくて。
優しい手が背中を撫でてくれて、少しだけ、安心する。
ここにいてもいい、と言葉にしてくれた時、どれほど、安心してしまっただろうか。
行き場のない気持ちを受け止めてくれて、私は改めて、新しい環境に落ち着こうと、前向きに少しだけ思えた。
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