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【ヒロアカ】コスミックロジカル【裏】

第46章 【番外編】残したい


帰りにこっそりコンビニでプリントして、部屋に戻り、お菓子をつまみながらその写真を見る。
にやにやが止まらない……。
念願だったんだ。
データの方はバックアップを取ろう、と明日こっそりサポート科のパソコン室に行く計画を立てた。
「………おい」
「先生!!!?」
先生は今日もぬるりと部屋の影から現れた。

「データはこれか」
「だめ…!消さないで…!」
時すでに遅く、先生はコンパクトカメラの画像欄からその写真だけを選んで消していた。
「ぁぁ……バックアップ取ってない……」
「取らなくてよし」
「もう、なんでですか…?」
「仕事にさしつかえるからだ。
顔は極力残さないようにしている」
「……そう、ですか……」
一瞬悪いことをしてしまったと反省した。
それなのに私、今まで必至に……。
その隙を狙われ、手に持っていた1枚を取られる。
「!!!!」
「あとはこれを燃やすだけか」
「だめ、だめっ!」
長身な先生からベッドから跳んでなんとか取り返し、先生はバランスを崩して一緒にそこに崩れ落ちた。
「きゃっ!」
「…っ!」
「離してください…!」
そのまま肩をベッドに縫い付けられるように掴まれ、どうもがこうとも動けない。
「ダメだ」
「い、1枚くらい…お願いします…!
誰にも見せないようにしますから…!!」
少ししわの入ってしまった光沢紙に涙が出そうになる。
「…ダメだ。校内で落としたらどうする?」
「部屋から出しません……」
「抜き打ちで部屋のチェックがあったら?」
「誰にもわからないところに…しまいます……」
「大人の言うことは聞くもんだぞ」
「……いやっ!」
当たり前だけど、力では敵うはずもない。
私は身体を捩ってなんとかその圧から逃れようとした。
ますます私の自由はなくなっていき、しなやかに重みがのしかかる。
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