第46章 【番外編】残したい

「なんだ？お前らここにいたのか！！」
お土産を見ていると、山田先生がいつもの楽しそうな雰囲気で話しかけてきた。
「身内だからってあんま贔屓にすんなよなおいおい！」
「！」
どきっとしてひきつった笑いが顔に張り付く。
「そうっだっ！カメラあんだろ！？
たまには元気だって、写真でも送ってやれよ！！
ほら撮ってやるよ！！」
「おい………」
山田先生はぱっと私の手からカメラを取り上げ、呆然とする私と更に呆然とする先生をおさめた。
前からうっすら思っていたけど、先生は山田先生といると、どことなく油断しやすいように思う。
「かわイイねー！！！」
とノリノリで両手人差し指をびしっとさしてから、私の手にカメラを返し、颯爽と姿を消した。
「データ消せ」
「イヤです！」
「いいから消せ！」
「イヤですってば！！」
「後で見てろ…」
その押し問答は帰るまで続いた。