第9章 年明け
「おう、明けましておめでとう。今年もよろしく頼む。で、お互い正月休みなのにどうした?」
でも、やっぱり気の置けない関係だからか話してる時はフランクだと思う。
「あぁ…それは気を付ける。おう、休みなのに悪かったな。あとで嫁自慢しとくわ」
電話が終わると紅郎くんは一息ついてお汁粉を食べ始めた。
「マネージャーさんなんて?」
「今日の初詣であやにあーんしてもらったとこファンが撮ってSNSに流してたぞってお知らせ」
「え…」
「あとでブログに初詣のこと書いて自慢したいと思ってんだけど、写真使っていいか?」
「あー…それで後ろ姿撮らせろって言ったんだ?」
初詣に向かってる最中に紅郎くんに後ろ撮るからなーって言われたけど、ブログに載せる用だったんだね…まあ、何度か紅郎くんに後ろ姿撮られてるし、一応使う許可はとってくれてるから私も許可してる。
「いいけど…紅郎くん、ファンの人たち不安にならない?」
「賛否両論あるけど、中には夫婦でファンですってのが増えてるからなぁ…」
「そうなの…?」
よくわからないけど、とりあえず大丈夫そうならいいのかな?
お汁粉を食べつつ、空いたお椀をテーブルに置くと隣で食べてる紅郎くんの身体にちょっともたれてみた。
「どうした?」
「ちょっとくっつきたいだけ」
「そうか」
でも、今はこのお正月をゆっくり紅郎くんと過ごしていたいな。