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ゆるやかな速度で

第3章 2.不思議な人



「ご、ごめんなさい。遅くなって」

私が慌てて玄関へ行くと、既に白石くんと会話している遥斗がそこにはいた。
でも白石くんはまだ玄関で靴も履いたまま立ち話していて私は慌てて謝罪する。

「気にせんといて。遥斗と話がはずんどっただけやから」
「姉ちゃん、白石オモロイわ」
「ちょ、ちょっと遥斗!」

私は会ったばかりの白石くんに友達と会話しているかのように話す遥斗に対して慌ててしまう。
いくらなんでも流石に初対面で失礼だろうと思い、私は慌てて白石くんに謝罪をしたけれど、返ってきた返事は私の予想外の言葉だった。

「あぁ、気にせんでええよ。俺のとこ姉さんと妹だから弟みたいで新鮮やわ」
「流石にちゃんと白石に了解取ってるよ、姉ちゃん」
「そ、そうだったの?ご、ごめんなさい、早とちりして」

私は2人に謝罪すると、何故か2人はクスクスとおかしそうに私を見て笑う。
何故2人がそんな風に笑っているのか分からず困惑してしまう。

「な?俺の言ったとおりやったろ?」
「堪忍な、勝手に笑ったりして」

なんて2人して言うから私はますます困惑してしまう。
そんな私の困惑を感じ取ったのか、遥斗が笑いながら私に何故2人で笑っているのか話してくれる。
どうやら玄関で少し会話しただけで打ち解けた2人は私が来るまでの間にまるで前から友達だったかの様に話していたのだが、こんな風に話してたら私が慌てると遥斗は白石くんに話していたらしい。
遥斗の言ったとおりに慌てる私を見て、2人して笑っていたのだそうだ。
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