第2章 水色~黒子~
そのまま向きを変えた火神くんは、いきなり(というか、無理矢理でした)僕と柔軟を始めましたが。
「痛いです」
「うっせえ、柔軟なんだからしょーがねーだろ」
(違います)
僕はきっぱり、心の中で言い返しました。
柔軟体操は痛いと決まっているわけじゃありません。
火神くんがいつもより力を入れすぎてるだけです…って、だから。
「痛いです」
トーンだけはいつも通り、ですが。
どかっ!
脇腹に一撃…しました。
「ぃでっ! てめー、またやりやがったな!」
途端に火神くんは痛がって仰け反りました。
何だか今日は大袈裟ですね、火神くん…と一瞬思いましたが。
(あ、そうでした)
さっき(教室の時)と同じ場所に入ってしまったかもしれません。
もしそうなら確かにちょっと痛かったかも…ですが。
でも火神くんですし。
さっきは△△さんに絡んでいたので、自業自得です。
なので。
「すみません。柔軟の相手、お願いします」
今日の火神くんはスルーです。
僕は他の人にお願いして、火神くんの相手は辞退させていただきました。
「って、おい! てめー!」
後ろで騒いでいる人は…知りません。
とにかく、これで△△さんの件は終わりました。
彼女をわずらわせてしまうこともないでしょう。
そう思っていた僕は、どうやら甘かったようです。