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ハツコイー5年後

第3章 これっていわゆるマリッジブルー?


ちょうど1年くらい前から彼と住んでいる部屋に着いた時、私はなんだかすっかりションボリしていた。
リビングのマガジンラックにまとめてある、結婚式場や引出物のパンフレットを取り出し、パラパラめくる。
パサっと音をたて、1枚の写真が落ちたので拾い上げた。卒業式の時に、3Z全員で撮ったものだ。
生い立ちムービー用の写真が紛れていたのだろう。
シャッターが押される寸前まで殴りあっていた沖田君と神楽ちゃんは、だから少しブレている。近藤君の顔が腫れているのは、妙ちゃんか、もしくは九ちゃんに殴られたのかな。そして、私の隣には山崎君が気を付けの姿勢で立っている。
山崎君…あんまり変わってなかったな。
顔に出やすいのも、嘘が苦手なところも。
気づいていたよ。隣の席から伝わる熱に。
でもそんなの、自分から言えないじゃん。
「私の事好きでしょ?」なんてさ。
写真の山崎君をそっと撫でる。
ごめんなさい。きっと、傷付けてたね。
なんだかションボリしたのはこれかな。
学生時代なんて…思い出話にするのが1番か。
山崎君の斜め後ろに、高杉君が写っている。
普段は撮影なんてサボってたから、だいたい集合写真の上に1人丸く写っていたけど、この時は確か、私が引っ張って参加させたんだっけ。ゆっくり高杉君の顔を撫でる。
気がついたら、私は携帯電話を耳にあてていた。
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