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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第4章  ハンジ分隊長


 ラウラと別れた後、ハンジはもと来た道を戻って歩いていた。

 すれ違っていくのは、先ほど壇上で挨拶をしていた今期の新兵達だ。皆、ハンジとすれ違う時には敬礼をして、通り過ぎた後は何やらコソコソと話していた。

 ハンジは好奇心の塊と言われるほど、何にでも興味を示す。新兵たちが一体何を内緒話しているのかと興味が沸いたので、少し聞き耳を立ててみることにした。
 ハンジが物陰に隠れているとも知らず、初々しい顔をした新兵たちが笑い声を上げながら歩いてくる。

「ねぇねぇ、あのラウラさんって人、ちょっと変わってたね。巨人の絵を描くために入団した、だなんて」

「そうだよな。でも、それをあそこまで堂々と言えるって、すごいよ。なんか自分の信念をしっかり持ってるって感じで、かっこいいと思った」

「ヘルゲとミアは、ラウラさんと同じ南方訓練兵団の出身でしょ?ラウラさんって、昔からあんな感じだったの?」

 問いかけに、ヘルゲと呼ばれた男性兵士が答える。

「そうだよ!ラウラさんは小さくて可愛いんだけど、いつもクールで、一生懸命絵を描いてるんだ。それがまたプロ並みに上手くて、俺、初めて見たときは本当に感動した!」

 ちょっと言い過ぎなくらい褒めて、ヘルゲはキラキラと目を輝かせる。
 それに対して、ミアという女性兵士も負けじと声を上げた。

「私は前に一度ノートを貸してもらったんだけど、絵とか図が描いてあって、すごく分かりやすかったよ。ちょっと話しかけづらい雰囲気だけど、そこがまた孤高の人って感じでかっこいいんだよね~!」

「そうなんだー!私もラウラさんの絵見てみたいなー!」

 新兵たちは、ハンジに聞かれているとも知らずに楽しそうに話しながら通り過ぎていった。
 彼らの後ろ姿を見送ってから、ハンジは顎に手を当てて、ふーん、と鼻息を吐いた。

「なぁんだ、変わり者は変わり者だけど、人気者じゃないか」

 ニヤニヤと笑ってから、ハンジはまた、もと来た道を戻っていったのだった。

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