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【金カム】Dear my kitty

第1章 逃走した先は


地元の名士

といえば聞こえは良いけれど、閉鎖的な田舎でコネを広げて財を増やした井の中の蛙じゃないかと思う。

そんな風に親を蔑んでいるものの、私はその恩恵を受けて何不自由なく暮らしている。

自分1人じゃ何もできないくせに
大人しく親の言うことを聞いて生きる。
それが一番いいのだ。
それが一番安心なのだ。


「週末に山田建設の息子さんとお出かけしてきたら?」
母はそう言ってレストランのチケットをくれた。

山の中にあるそこは、レストランだけでなく温泉やホテルも併設されていて、森林浴や大人でも楽しめるようなアスレチックもあるレジャーランドのような所だ。

不動産業を営んでいる父はこの山田建設の息子と私を結婚させるつもりでいる。
私は現在17歳の高校2年生、彼は25歳だ。

大学へ進学したいと言っているので結婚はまだ先だと思うが、こうして事あるごとに2人で出かけさせようとしてくる。


心配しなくてもちゃんと結婚するのに。
口に出した事はないが私はそう思っている。
母は投げやりな私を見て、少しでも普通の恋愛結婚に近いような過程を踏ませたいようだった。
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