第12章 新しい人生
「ダメだよ〜?」
アンダーテイカーがいつの間にか私の背後にいて私を抱きしめていた。
「ナツキ、小生のところへおいで?」
「う、うん。」
「っ…!セバスチャン!!」
「御意。」
シエルの言いたいことが伝わったのか、セバスチャンは動き出した。
「ナツキ。」
「!……だ…れ…?」
「……初めまして、私はファントムハイヴ家の執事でございます。名前はセバスチャン・ミカエリス。」
「…は、初めまして…。」
「ナツキ、小生と遊ぼうか。」
「!…遊ぶ!」
「ふざけるな!」
「!…」
シエルの怒号でその場が静まり返った。
「なぜ僕の許可なしに勝手な事をした?」
「…ナツキが、君達と出会ったことは無しにしてもいいから記憶を知りたいと言っていたからねぇ。」
「だとしても、魂を入れ替えれば記憶を知りたいと思っていたことも忘れてしまうだろう!」
「ふぅん…確かにねぇ。でも、この体はナツキ自身の物だからねぇ。」
「っ…!」
「ど…どうしたの…?なんで…そんなに怒ってるの…?」
「…っ…お姉様…僕は…。」
「…あ…アンダーテイカー?シエルが…。」
助けを求めても、口をへの字にするだけだった。
「アンダーテイカー!ナツキを早く戻せ!カミルはもういないし、それに、カミルに殺されるよりも前のことならお前が教えたんだろう!?」
「そうだけど…小生はこの方がいいしねぇ。」
「!…お前、ナツキを騙したのか?」
「騙しただなんて人聞きの悪い言い方しないでよ〜。」
「っ…!」
「それに、気づかなかったナツキが悪い。」