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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第7章 前を向く1年3ヶ月





今日も今日とて新幹線のチケットを予約する

コールセンターの昼休みにがつがつお弁当を食べながらスマホを眺めていると



「最近ちゃんと食べるようになったな!良かった」


「……ありがとう!」


藤木が優しく笑うので良心が痛んだ


「あのさ、今日ちょっと話し出来る……?」


私の声色で本題が解ったのか藤木は少し緊張した様に笑った


イルミさんの短冊の文字を読んでから酒に溺れる夜を脱して私は伸びてそのままだった髪を毛先と同じ色に染めた

食事も闇雲では無く

栄養バランスを考えてしっかり食べている

彼に会うのにぼろ雑巾みたいな姿では会えないし

ずっとほったらかしていた肌のケアも再開した



藤木の気持ちは嬉しい


だけどやはり私の頭を占めるのは彼で、心は素直に彼へ向く

現に彼に会いに行くと決めた途端に私は再び立ち上がったのだ

藤木の気持ちには応えられない………


オフィスを出て藤木と並び歩く

藤木は昨夜見たお笑い番組の話しを面白可笑しく話していて


「……藤木」


其れを割った私の声に押し黙った


「やっぱり藤木の気持ちには応えられへん………ごめん」


「…………そっか。……まぁ玉砕覚悟やったし………そっか」


藤木は空を仰ぐとポツリポツリと言葉を紡いだ


私はイルミさんが好きで恋心を募らせている
藤木は有難い事に私に恋心を抱いてくれた


同じ気持ちなのに届く事は無い想いに、藤木の気持ちを考えると胸が痛んだ

しかし私が憂う事は許されないのだ

藤木の恋心は受け取れない


藤木はその後何時もの調子でおどけた話をして帰って行った


「また飲もうぜ!」


「うん。また!」


次元を越えて届いた私の想いは奇跡に近くまだ彼への道程は長い


手を振りながら小さくなって行く影に背を向けて私は今日も新幹線に乗る





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