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たとえば君が鳥ならば【ニルアド】

第3章 初めての巡回-ジユウ-



「(顔から火が出そう…)」



真っ直ぐな目をしているから、嘘を言っている感じには見えないし、だから恥ずかしさが更に込み上げる。



「隼人」



「なんだよ、別に悪く言ってないだろ。むしろ褒めたつもりだぞ」



どう返すべきか迷っている私を見兼ねた星川さんが窘めるように尾崎さんを軽く睨んだ。



「すみません。彼は基本的にこういう性格なんです。思ったことをそのまま口にしてしまうだけで」



「いえ、平気です」



「これが地なんだから仕方ないだろ」



「ありのままで接してくれた方が私も嬉しいです。それに嘘をつくよりはいいと思うので」



「だよな!」



「(あまり直球過ぎても困るけど…)」



「俺がそれだけ正直者なんだって思ってくれていいよ」



その物言いに、思わず笑みが溢れた。



「やっぱり笑うと可愛い!美人!」



「っ…………」



「隼人。」



「だから正直に褒めただけだろ」



また星川さんが尾崎さんを軽く睨んだ。本人に反省の色は窺えないが、私は言葉に詰まり、頬を微かに紅色に染めた。



「そういえば…」



鴻上さんが何か思い出したように私を見る。



「竹刀で男を気絶させられるって本当?」



「え?」



「いやほら、さっき杙梛さんに…」



「あぁ…まぁ…剣道やっていたので…。本気を出せば多分やれます」



「男に敗けたことないってのも本当?」



「試合ではそうですね。敗けたことはないです」



「へえ、じゃあすごく強いんですね!」



「一応…全国大会では…その…優勝したことはありますけど…」



「ということは…」



「世界で一番強い?」



「い、いえ!一番ってわけじゃ…!ただ…他の人達よりも少し強いってだけで…!」



「それ、少しってレベルじゃないだろ」



鴻上さんに最もらしいツッコミをされる。



「剣道を始めたきっかけは何だったの?」



「…学生の頃にちょっと嫌な経験をしたの。その時に何も出来ない自分に無力さを感じて。それで少しでも強くなって自分の身は自分で守らなきゃって思ったのがきっかけ」



「杙梛さんから逃げるための嘘かと思った」



「う、もしかして引いてます…?」



「その逆。立花は凄いなって思った」



「え?」



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