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君色に染まりて【イケヴァン長編◆裏】

第7章 黒雪の策略


パリの街、郊外。とある屋敷にて………。


「伯爵の屋敷に、女が招かれてるみたいだぜ?」

情報屋の少年は、にやりと笑った。


「………!

その女性について、もう少し詳しく教えてくださいますか」

「あぁ。その女は………」

少年が挙げていく特徴に、予測が確信へと変わる。


(間違いありませんね。やはり………、彼女は………。)


「ありがとうございます。

………これは報酬ですよ」

少年に、金貨の入った袋を握らせた。


「へへっ、ありがとな! ウィル!」

彼は大喜びで、部屋を出ていく。


一人きりになった部屋で、彼女の姿を思考に載せる。



花のように微笑う彼女が眩しくもあり、そして憎らしくもあった。



「貴女がどんな表情を見せてくれるか………。

ふふっ………、これから楽しみですよ」

左右違う色彩の瞳が 漆黒の月を見つめていた。





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