第7章 波乱
今思い返すと、俺は物心ついた時からちやほやされてきた。
女の子からも人気があったし、小さい頃は男子からもそんなに嫌われなかった。
俺の評価が大きく変わったのは、中学に入ってモデルをやり始めた頃からだ。
『黄瀬くーん!雑誌みたよぉ~!』
『黄瀬くん背高いし、カッコいいよね~』
褒め言葉も、
『黄瀬ってウザくねー?』
『モデルだからって調子乗ってんじゃねえよ』
『女子も騒ぎすぎだよ。アイツなんて顔だけだろ』
貶す言葉もたくさん聞いてきた。
初めは喜んだり傷ついたりしてたと思う。
だけど、そのうち思うことはただ一つになっていた。
「ほっといてくれ」
何を言われたって思うことはそれだけになった。
だけど、俺は青峰大輝に出会うことが出来たから。
そしてバスケに出会うことが出来たから、俺の人生は変わった。
もしあの時青峰大輝に会ってなかったら、俺の人生は一生枯れてた。
だからこそ思ったんだ。
瑠衣っちはどうなんだろうって。
もし瑠衣っちが自分の友達の本心を知ったときひどく傷ついて、今でも気にしていたら。
自分の周りを信じられなくなってるんじゃないか。
自分の正しい評価を分かってるか。
心配なんスよ
瑠衣っちの人生が枯れてないか…。