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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第17章 真実




真雪に出されたお菓子に目を奪われている彼らを横目に教室を出た。
楽しそうにしている彼らと一緒にいられないことは本当に残念だけど、仕方ないんだ。

これから会う相手のことだけを考えて気持ちを切り替える。






今日まで色々と考えてきたけど、私の菅原くんへの恐怖感はなかなか薄れてくれなかった。
小学校時代の写真は今でも見れない。
そんな私に気を使って、大輝やさつきは私の前では今まで一度も当時の話をしなかった。


その優しさは本当にありがたい物だったけど、いつまでも2人に迷惑をかけたくない。

菅原くんと私が二度と会わないこと以外に対処法は無いと分かったのだ。



早く終わらせたい一心で早歩きになり、どんどん駆け足になる。

その時、私を呼び止める声が聞こえた。


「瑠衣!」


その声に思わず足を止め、振り返った瞬間後悔した。

もう、こんな予感がしてたから私のクラスにいて欲しかったのに…。


「大輝、なに?」

「お前どこ行く気だよっ」

「別に?ぶらぶらしてるだけ」

「だったら俺の見える範囲にいろよ!」

「……それは無理」

「なっ…!お前、菅原のとこ行く気だろ」


その質問を否定せずにいると頭上から深い溜息が聞こえてきた。
それに少し罪悪感を感じる。


みんなが必死に離そうとしてくれた人に自分から会いに行くなんて馬鹿げてるんだろうね。
でも、もう決めたから。
大輝の制止だって聞かない。


「行って来いよ」

「…………え?いいの?」

「もう行く気満々みてーだし、止めやしねーよ。でも、だったら、今お前に言わなきゃいけねーな…」


大輝の独り言のような呟きに首を傾げる。


「何を?」

「…俺たちが知ってるのはほんの一部だったんだ」

「え?何の話を……」

「さつきと一緒に昔の奴らに色々聞き回っててよ、そしたら分かったんだ」

「だから、何のこと?焦らしてないで教えてよ!」

「菅原漣の本当の姿だ」


本当の菅原くん?



その言葉に思わず息を飲む。

今回のことの原因となった菅原漣。
どうやら、私が知らない彼についての何かを大輝は知っている。
そしてそれは、私も知らなくてはいけないことだと直感した。


「…教えて」






大輝が話したことは、菅原漣の真実だった。




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