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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第12章 作戦会議


翌日。
昼休みの屋上にカラフルな頭が6人揃った。


「何の用なのだよ、桃井」

「桃井さんがみんなを集めるなんて珍しいですね」

「うん…正確には私じゃなくて青峰くんが集めたんだけど…」


そう言い横目で青峰を見る桃井。
彼女も集めた理由は聞かされていないようだ。

皆の視線を集めた青峰は寄りかかっていたフェンスから離れ、背筋を伸ばした。


「今日、お前らのクラスに転校生来たか?」

「転校生?来てないっスけど…ね、紫原っち」

「知らなーい」

「あの、私のクラス来たよ…?」

「さつきんとこか…」


青峰は一つ溜息を吐き、「俺のクラスだったら話がはえーのに」と呟いた。
安心したような、しかし不安も混ざったその溜息に黒子は感づいた。


「久瀬さん絡みの話ですか?」


黒子のその言葉に桃井はハッとする。


「転校生の菅原くんって…まさか!」

「ああ、菅原漣だろ」

「でも、アメリカに行ったはずだよ?」

「帰ってきたんだろ。別に珍しいことじゃねーし」

「ということは、青峰くんがみんなを集めた理由って…」

「ああ、お前らに頼みがある」


青峰は全員と目を合わせ、そして告げた。


「菅原を瑠衣に近づけないようにしてくれ」


桃井はやはり、というような顔をしたが、他は事情が分かっていないため困惑した顔をしている。


「まず、僕その菅原くんという人を知らないんですけど…」

「ああ、分かってる。一番頼みたいのはさつきにだ」

「同じクラスだもんね。多分私にも話しかけてくるだろうし」

「瑠衣と関わらせないように…さつきもアイツのことあんま好きじゃねーと思うけど、その、」

「大丈夫!瑠衣のためだもん!」






桃井が引き受けた理由は『瑠衣のため』だけではなかった。

青峰が瑠衣のために頼み事を、それも幼馴染みの自分や部活仲間にした。
そんな青峰に協力したいと、純粋に思ったからだ。

少し前までぎくしゃくとしていた青峰と瑠衣の関係が元に戻って、いや、前よりも良くなっている。


瑠衣のために。



そして、そう思っている青峰のために。
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