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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第11章 優しさ


初めて菅原くんと話したのは小五の5月。
アメリカから転校してきた彼と隣の席になった。


『よろしくね菅原くん』

『ああ、よろしく』


初めは菅原くんも普通の男の子で、特に何かしてくることもなく毎日平和だった。



なのにある日突然、菅原くんは私に対して態度を一変するようになった。

本当に突然だった。
前日まで普通に話していたのに次の日の朝、彼の態度は別人のようだった。


無視なんて当然。
私が近づくと露骨に避けて、話しかけようとすると嫌そうな顔をして睨んだ。

その日は菅原くんと一度も目が合わなかった。



次の日も、その次の日も彼の態度は変わることなく、一週間が過ぎた。

7日経ち変わったのは彼の態度ではなく、クラスメートの態度だった。



菅原くんは明るくて面白い、クラスの中心にいるタイプの人で周りからも好かれてた。

そんな彼が急に1人の女子に対してだけ冷たくした。
菅原くんと私に何があったのか、誰もが気になるネタだったはず。


きっと、私のことが何で嫌いなのかみんなに話したんだ。

それで、その内容が私がみんなからも嫌われる原因になるような内容だったんだ。


無意識に、菅原くんが嫌がることをしちゃったのかな。
それか元々私のことなんて嫌いだったか。

でも、それだけだったら嫌われるのは菅原くんにだけなはず。
クラス全員から無視される理由にならない…。


そんなことをずっと、ずっと考えて、やっと答えが分かった。



ただ単に菅原くんの影響力が強かっただけなんだ。

理由なんてない。ただ自分が無視されたくないから私を無視する。
きっと私も立場が逆だったらそうした。
だから酷いとか言える立場じゃないんだ。




私は状況が今より悪化しないように、みんなの感情を読むだけ。


これ以上嫌われたくないっていう一心で、私は必死に相手の考えを読み取っていた。
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