第18章 【番外編】マツノトクエスト 第十七章
「でも私自身の攻撃は弱いよね、召喚以外にももっと身に着けたいな、それか他にもハリセンの攻撃スキル身に着けるとかさぁ」
持っていたままのハリセンをブンブンと縦に振るといい音が空を切る。
殴る事、F6を召喚する事しか出来ないこのハリセンをどうにかしなければ私は召喚と呪いを解く以外には全く役には立たない。
ハリセンで殴るだけだと限度があるんだよね。
召喚とか、レベルUPする度に増えるHPやMPを見てると、MPの上げ幅は大きく、多分私の職業は魔法職寄りではありそうだ。
だからこそハリセン攻撃をしてもロクなダメージが与えられないのだろう。
「スキル屋さんとか行ってみる?」
「スキル屋さん?」
トド松が人差し指を口にあてて、首を捻るとこの世界で初めて聞く名を口にした。
「うん、こっちの世界に来て変な記憶を与えられた所為か多少世界の知識はあるんだよね。自分でレベルアップして覚えるスキルと、アイテムで覚えるスキル。それと……スキル屋で習うスキルがあるんだよ」
「へぇ~! なにそれ超楽しそうじゃん!! 行きたい行きたいっ」
そこで私は、アッとゲームでおなじみだったハズの行動を思い出した。
うわ、恥ずかしい。自分はゲーム結構やってると思ってた癖にこんな事も忘れてたなんて……。
「ん? どうした、ナス子」
「あ、あのね! 笑わないで聞いてくれる?」
「「?」」
「す、スキル欄見るの忘れてて……MP配分のポイントがめっちゃあった……」
「「あぁ」」
良かった、現実世界ではこの二人はこんな事を言っても、コイツナニ言ってんだ、正気かよ、みたいな目で見られそうなものだが、コチラの世界で知識を植え付けられたカラ松、トド松は理解してくれたようだ。