第17章 【番外編】マツノトクエスト 第十六章
そうなのだ。
カラ松はチョロくても、問題はおそ松とチョロ松。
チョロ松なんて仲間になったのはつい昨日の出来事、そんな相手に唇くっつけていいスか?
などど簡単に言える訳がない。
コイツに至ってはもう誰かに羽交い絞めにしてもらって無理やりしてもいい気になってきた。
聖なる乙女がする事ではないが、カラ松相手でも多少なりともすんなりいかなかった訳だし。
旅の最初から一緒に行動するおそ松。
一番厄介な相手、酒でも飲ませればテンションでいけるかな。
「ありがとう、ナス子、トド松……二人のお陰で俺は封印されし記憶から救われた」
「へへ、一つ貸しだね! カラ松に~さんっ」
「ん~?」
「んじゃ私にも貸しって事でぇ」
「二人共酷くないか?!」
「「へへへっ」」
次男の記憶が無事に戻り、ドライなトド松もさすがに嬉しかったらしく、慌てるカラ松を余所に、私達は顔を見合わせて笑い合ったのだった。