第17章 【番外編】マツノトクエスト 第十六章
「やめるんだっ」
こちらも困ってカレンちゃんを助けようとして慌てていたのだが、下から真面目な低い怒号が聞こえた。
━━━━━━━━━━カラ松だ。
「あぁん? なんだサングラスの兄ちゃん? もしかしてこの娘の男か?」
「フッ………いずれはそうなる予定の男だ……」
「え、あの、えっと?」
男に掴まれた手、突然現れたさっきまでウザかった人。
両方に囲まれポカンとした顔をする女性。
【 勇者おそ松 の パーティ は 修羅場 に 遭遇した 】
「怪我をしたくなければその手を放すんだな、ゴロツキ野郎……大丈夫だカレンちゃん、君は俺が、このカラ松が守」
「オイオイオイ、うちの妻に何をしてるんだい」
「あっ、アナタ!!」
ムキムキ冒険者といざ戦闘という事になりそうな瞬間、カウンター奥から形状を説明するとト〇ロ。
太ってる訳ではないがムキムキ冒険者よりも更に屈強そうな髭の男性が顔を出す。
おそ松やチョロ松も加勢しようと武器を構えていたが、そのカレンちゃんの台詞にエッと言葉が漏れる。
勿論カラ松もポカンとした顔だ。
「ごめんなさい、皆さん。先に伝えておくべきでした……私、新婚なんです~!!」
「「「は、はぁ」」」
結局、速攻の一目惚れは速攻に終わりヤケで昼間からにも関わらず飲みに行ってしまったおそ松、チョロ松を呆れて見送り、カラ松は項垂れたまま、ノックをした後また私とトド松の部屋に入ってきたのだった。