第14章 【番外編】マツノトクエスト 第十三章
「そういえばさ、さっきあの召喚した赤い人が言ってた事ってなんだったの? なんだか今日はヤケにぼくらにアイツらつっかかってきたけどぉ」
少し面白くない表情をしたトド松は頬を膨らませているが、私はイケメンなおそ松の言葉を思い出してポツリとその言葉を出した。
「呪いを解くなら童話を思い出せ……」
「呪い? 童話?」
「うん、何の事だろうね? 呪いと童話と言えばあれかな、相手を毒リンゴで殺すとか竜に変身させたりするとか、野獣に変えちゃって薔薇の花びらで寿命を決めるとか……」
両腕を組み必死に考えてその思考を口に出すと、トド松はいやいやいやと止めに入り私の意見を否定する。
「違う、多分違うからそれ!! 呪いを解くって言ったら普通は王子様のキスじゃないの?!」
「━━━━━━━━━━………おお! そっちか!!」
そこまで思考が及ばなかった自分が心底馬鹿に思えてしまうが、感心して手鼓を打った。
「思考が怖いよナス子、一体どんな暮らしをしてきたらそんな危ない思考に辿りつく訳ぇ?」
周りに6人の悪魔がいますからね、こっちも多少は悪の心を身に着けないとやっていけないんですよ。
そんなメルヘン思考でいたらやってられないっすよ!
「ははは、いやぁ! さすがはトティ美!! 女子力高いっ」
「や、やめてよーっ、今はもう、ぼくが男だってわかってるでしょ!」
ヅラの上からトド松の頭をグリグリと撫でて、その弟の可愛さと思い出にまた少し瞳が揺らぎそうになってしまう。
口元がちゃんと笑えてるのか心配だったが、そこは暗闇に隠れればいいなと期待した。
「で? その家族みたいな人って? 近くにいるの?」
適格に質問を続けるトド松。
MP関係なく精神力は削られていて、誰かに聞いて欲しくてたまらなかった私は━━━━━━━━━━……