第2章 吉原
私は花園 莉奈。
家は苦しく、働いても働いてもお金は沢山貰えない
お腹いっぱいご飯も食べられない。
遊ぶこともできない。
まともに勉強をしている暇もない。
勉強する暇があれば働けと親に言われる。
家が苦しいせいで、自分のやりたい事は全部奪われていく、そんな日々…
『 はぁ…』
いつもの溜め息、友達も誰一人としていないから話す相手が全然いない。
口から出るのは溜め息と…
『お腹空いた』
大体がこの二つ。
ある日の事。
朝から急に父と母に呼ばれた
外から差し込む明るい太陽が部屋を明るくしてくれる
『どうしたの?』
丸いテーブルに手を置いて喋る
父と母の顔を見れば少し悲しそうだった
父「莉奈…怒らないで聞いてくれ」
父がそう言う。今まで親には怒ったことがない莉奈。そう言われると莉奈は少し緊張し始めた
母「あのね…」
母が気まずそうに口を開ける
母「貴女を…莉奈を…吉原に売ろうと思ってるの」
莉奈はその言葉を聞いて静かに涙を流した
自分の家が苦しいのは分かっていた。
莉奈の住む村の女の人達が消えていくのは家が貧しくて吉原に売られていったんだというのが分かってて莉奈も自分も大人に近づけば売られるんだろうと思っていたが、いざと言われると涙が止まらなくなっていた
『ヤダよ… 』
父「莉奈の気持ちもわかる…」
母「莉奈を売りたくないわよ…でも、もう限界なのよ」
父と母はそう言って莉奈に同情するように言っている
けれど、莉奈には同情する演技にしか見えなかった
とても悲しかった
『っ… 』