第3章 花魁
『亮兄さん…私が吉原で働いてるって聞いて思った事正直に話して』
莉奈は亮の目を真っ直ぐと見る
亮は目をそらし焦ったような態度をする
『正直に話してくれたら嬉しいんだ』
亮「莉奈が…」
『ん?』
亮がさっきより少し大きい声で言う
亮「莉奈が吉原に売られた時は本当に怒りが出てきた…それと一緒に少し莉奈がいつもの目で見れなくなりそうだった」
『どういうこと?』
亮「莉奈が吉原で働いたから、少し莉奈を、そういう風な目で見てしまいそうで…」
『そっか…そうだよね、みんな普通はそうだよね』
莉奈の目には涙が浮かぶ
亮はそれを見逃さず、莉奈を抱き寄せた
『うぅっ…ゎ、わたし、っ、苦しいのっ!』
亮「あぁ…実の兄にもそんな目で見られるのは嫌だよな。本当にすまない」
亮は莉奈を赤ちゃんをあやすかのように背中をリズム良くトントンとしている
莉奈は、それに少し安心したのか涙も少し減っている
だけれど、まだ泣いている
『私が、花魁でもお兄ちゃんは嫌わない?』
莉奈は亮の二の腕を弱々しく掴み、下をうつむきながら言う
亮「当たり前だよ、莉奈は俺の大切な妹なんだ、莉奈が吉原一の花魁になろうと俺は莉奈の事が好きだよ」
『お兄ちゃん!』
莉奈は顔を上にあげて亮に思いっきり抱きつき、亮もそれに応えるように抱きつく
亮「莉奈、俺の貯金が貯まったら莉奈を買うよ…永遠に」
『でも、相当なお金…』
亮「大丈夫、俺の大好きな妹だから」
『もぅ!このシスコン兄』
その後は笑い話や思い出話を沢山しました