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イケメン戦国 短編集 R18

第18章 全てを乗り越えて (光秀×舞) R18 リクエスト作品


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返答次第では、容赦しないと言わんばかりの冷たい声で家康に尋ねると、家康もまた…冷たい口調で光秀に言い返した

「あんたがはっきり言わないから、舞が辛い思いをしてるんじゃないですか。家や後ろ盾がない事であんたの負担になってるって自覚してるから、舞は投げつけられた侮蔑の言葉に一言も言い返さなかったんです」

「・・・・・・」

「俺は…その辛さがどれほどか嫌というほどわかってます。守ってくれる存在が傍にいない心細さも。あんたがいつまでもはっきりしないのなら、俺が舞を守ります。あんな思いは二度とさせないし、二度と言わせない」

決意を込めた瞳で光秀を見つめると、光秀はフッと笑みを零した

「その必要はない。今回の件が落ち着き次第…舞との事はちゃんとけじめをつけるつもりだ」

「っ、それって……」

「舞を誰にも譲る気はないと言うことだ。もちろん家康、お前にもな」

家康は一瞬眉を寄せた後、二度目の溜息をついた

「…それで、俺を登城させるからには、何か良い情報でも掴んだんですか?」

「まぁな。俺を本気で怒らせたらどうなるか…身を持って思い知って貰う」

不敵な笑みを浮かべると、家康はフッと視線を逸らした

「地獄絵図しか思い浮かびませんね…。正直、一番敵に回したくないです」

「それは褒め言葉か?家康」

「知りませんよ。兎に角…早く解決して下さい。舞の為に」

「まぁ、任せておけ」

話が終わると、光秀は家康の御殿を出て、再び安土城へと向かった

すっかり暗くなった夜道を歩きながら、空を見上げる

(家康にあんな顔をさせるとは…舞は無意識に相手の懐に入りすぎる。自覚がないだけに、全くタチが悪い…)

輝く月を見つめながら、一人、思い耽っていた

「厄介な女に惚れたもんだな、俺も」

肩をすくめ、自嘲じみた笑みを浮かべる

再び視線を前に向けると、足早に歩き始めた




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