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歪な夢のカケラ【ヒロアカ裏メインの短編集】

第21章 もしも願いが叶うなら…【轟焦凍/切甘裏夢】



晩飯を食べ終わって楓と別れる時間が刻一刻と迫ってきていて、何だかんだ蕎麦屋で楓と長話していて時間は20:30を回っていた。

「そろそろ出るか」

『そうだね』

そう言って席を立とうとした瞬間…
蕎麦屋に置いてある古い小型のテレビからニュースが流れた。

【昨日未明、○○市××区3丁目の交差点で衝突事故が発生し、静岡県○○市在住の高橋楓さん25歳が亡くなりました。

調べによりますと高橋楓さんは今話題のあのヒーローショートと交際している女性であり彼女の車に衝突した容疑者の檻紙 蜜見さん28歳はヒーローショートの過激派ファンであることが分かりました。

檻紙容疑者は重傷を負うものの命に別状はありませんが
被害者がショートの恋人である事を知った上で衝突したと容疑を認めた為殺人としての捜査もーーーー】

しまった!と思った時にはもう遅くて楓の耳にはそのニュースが入ってしまった。

『…なに、これ?私、死んでるの?』

「楓、とりあえず落ち着いて話せる場所に行こう!」

俺は蕎麦屋に1万を置いて釣りはいらねぇと言って楓を連れて夜の街を駆け抜けて病院の523号室へと戻った。

『…焦凍、ここ今朝の病院?待って、え?どういう事?私退院したんだよね?なのに何で…?』

「……楓、落ち着いて聞いてくれ。俺もお前に嘘をついていたんだ」

『……嘘?』

「今朝俺が一日入院したけど退院できるって言ってたアレは嘘なんだ。本当は楓は無個性じゃなくて死んだあと一日だけ生き返れる個性を持っててその個性を使って生き返ったんだ。

事故でボロボロになった身体は、人の肉体を再生できる個性の医者に頼んで治してもらった。

すまねぇ、もっと楓と一緒にいろんなとこ行ってからこの事を言いたかったんだけど…」

『……嘘だ、信じられないっ…けど私が死んだと考えると焦凍が今日ちょっとおかしかったことも説明がつくし焦凍はこんな嘘言わないって分かってるから…』

今にも目から溢れそうなほど涙をためてジャンバースカートの裾を握りしめて震えている楓を見て心が痛む。
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