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歪な夢のカケラ【ヒロアカ裏メインの短編集】

第21章 もしも願いが叶うなら…【轟焦凍/切甘裏夢】



蕎麦屋に入って2人でざるそばを注文しておしぼりで手を拭く
楓はイベントのディナータイムの時のことをおもむろに話し始めた

『…あのディナータイムの時の事で私焦凍に1つ嘘ついてたの
お手洗いに行ったあと控え室で寝てたんじゃなくて本当は、焦凍ファン過激派の子達とあってね、

焦凍とどんな関係なんだって聞かれて仕事仲間だって言っても信用してもらえなくて焦凍に近づくなとか目障りだとか散々色々言われたあとディナータイム終わるまでずっと過激派ファンの個性で用具入れの地面に貼り付けにされて閉じ込められてたの。

ディナータイム終盤で貼り付けが取れたけど個性の接着剤が服にすごいついてて恥ずかしくて戻れなかったから先に車に乗って待ってたんだ。

ごめんね嘘ついてて』

俺は資料室で泣いていた時の楓の言葉を思い出した。

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『…ひっ、ぐすっ…焦凍が悪いわけじゃないっ…うぅ、分かってる…でも私、焦凍のそばにいるのが怖い…焦凍には不釣り合い過ぎて、また酷いこと言われるんじゃないかって…怖くて怖くて仕方ないのっ…』

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アレは、事務所にかかってきた電話の事だけじゃなかったんだと思い知った。自分がいかに楓について知らなかったか、知ろうとしなかったかを思い知って胸が張り裂けそうになった。

「そうだったのか…すまねぇ、そんなことになってたなんて」

『謝らないで、もう大丈夫だから!私負けないよ!だって私は次期NO1ヒーローショートの彼女で未来のお嫁さんだもんっ!』

笑って両腕を曲げて力こぶを作る楓

「…そうだな」

仕事中は敬語でかっちりした言葉遣いで話す楓だが、プライベートだとだいぶ柔らかい印象の言葉遣いで話す…

この喋り方が素であることを知っているからこそ、彼女のこの言葉に嘘はないと確信が持てる。

ざるそばが来て楓は美味しそう!と言ってざるそばを食べ始める。

『んん〜美味しい!ここのざるそばコシがあって美味しいね』

「そうか、良かった」

『ここまた来たいな〜』

彼女が未来の事を口にする度に俺は言い出せなくなっていた
今日が最期なんだと…

知らせるべきではないけれど、今日の24時までには知らざるを得ない現実
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