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歪な夢のカケラ【ヒロアカ裏メインの短編集】

第21章 もしも願いが叶うなら…【轟焦凍/切甘裏夢】



次の日、俺は朝4時に目が覚めた。
楓に会える最期の日、いつもより特別なこの日を寝て過ごすのがもったいなくて仕方なかったのかもしれない。

起きて日課になっているロードワークをしたりして連絡が来るのを何度も何度も携帯の画面を見ながら待つ。

朝7時頃、筋トレしてる俺の携帯に電話が入った。
病院からで楓の肉体再生が完了したという連絡。

俺が急いで病院へ向かうと正面は閉まっていたけど、昨日楓の司法解剖を担当した医者が正面を開けて通してくれた。

そしてそのまま523号室へ向かって、俺はノックをして病室に入る。

そこには、あの雑誌のイベントの翌朝俺が見た寝顔のまま規則正しい呼吸をして眠る楓の姿があった

もう一度あの寝顔を見る事ができた事がたまらなく嬉しくて、涙が止まらなかった。

「楓…」

俺はあの日の朝みたいに彼女の寝顔を写真に撮って、髪の毛で遊んだり頬にキスをする。

触れた唇から彼女の体温を感じ、昨日の出来事の方が夢だったんじゃないかと思えるくらい彼女は綺麗だった。

髪を撫でていると楓が目を覚ました。

『……んっ、焦凍』

柔らかい笑顔で笑う楓…今まで避けられていたからこんな笑顔を見るのは久しぶり過ぎてまた涙が出る。

それを見られたくなくて楓を力一杯抱きしめた。

『焦凍、どうしたの?泣いてるの?』

そう言って俺の頭をポンポンと撫でる楓。
俺は涙で歪んだ視界を閉じながら黙って頷く

俺がひとしきり泣いた後彼女は俺に質問してきた。

『私なんで病院にいるの?焦凍の家向かってたはずだよね?それにここで寝てたとすると今日って何日なの?』

事故で一度死んだ事、医者に話すなとは言われなかったけど話さない方が良いよな?

「昨日俺の家来る途中事故にあってここで一日入院してたけどもう退院出来るから今から昨日行けなかった水族館に行こう」

そう言って俺は楓の手を引く

『あの焦凍…ちょっと待って!着替えさせてくれないかな?』

楓の服装が入院着のままだったことに気づき、手を離す。そして着替えがないか2人で探すと棚の中から楓の服が出てきた。

服まで用意されてるのかと驚きつつも楓の着替え終わるまで部屋の外で待つ
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