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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第10章 【許されざる呪文】


 談話室に戻ると、既にハリーが困り顔でソファーを陣取っていた。これはあまり良くない話だろうと思いながらも、どうなったかと聞くと、ハリーは首を横に振って「ダメだったよ」と告げた。ハリーもハーマイオニーの様子を聞いてきたので、クリスも首を横に振って「今はそっとしておいた方が良いみたいだ」と告げた。そして、これからどうしようかと2人で話し合ったが、良い案は何も出なかった。そしてそのまま、とうとうハロウィーンの日がやってきてしまった。

 ハロウィーンの朝、クリスは時間ぎりぎりまで寝ていた。
 ロンとハーマイオニーは、2人でハリーを慰めていた。独りだけホグズミードに行けずがっかりと肩を下ろすハリーの前では、2人ともペットの件はひとまず置いておくことにしたらしい。

「おみやげをいっぱい買ってくるからさ」
「それに、夜にはご馳走もあるわ」

 しかしどんなに慰めても、ハリーの気分を良く出来る者はいなかった。クリスが寝ぼけ眼のままグズミード出発ぎりぎりになって玄関ホール行くと、すでにそこはホグズミード行きの生徒でごった返していた。これじゃあロンとハーマイオニーとは合流できないかもしれないと思っていると、後ろから肩を叩かれた。

「ハーマイオ――……」
「やあクリス、君もホグズミードに行くんだろう?どうだい、僕たちと一緒にいかないか?」
「なんで私がお前と一緒に行かなくちゃならない」

 てっきりハーマイオニーかロンのどちらかと思っていたが、なんと肩を叩いたのは憎きドラコだった。あれほど言ったのに、ドラコはまだ腕に包帯を巻いていた。その上、愛しいルーピン先生の事を「あんなの僕の家の屋敷しもべ以下だ」とか、「見ろよ、あのやつれきったみすぼらしい顔」等色々と悪口を言うので、今やドラコの評価は最下層まで落っこちていた。

「良いのかい?断って。大人しく着いてきた方が君らの為になると思うんだけどな」
「どういう事だ?」
「実はまだ腕の傷がうずくんでね。その事を先週父上に報告したんだ」
「お前って奴は、本ッ当に最低だな」
「全くその通りだ!!」

 不意に隣りから同調する大きな声が聞こえてきた。声のした方に視線を向けると、そこにはロンとハーマオニー、それにハリーがドラコを睨みつけていた。
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