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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第9章 【リディクラス!!】


「マルフォイの奴、いったい何を言っていたんだろう?」

 片づけをしながら、ロンがハリーとクリスに聞いた。
 シリウス・ブラックがハリーを狙っている事は知っているが、何故ハリーが危険を犯してまで1人でブラックを捕まえなくてはいけないのだろう。それに、ドラコは“復讐”と言っていた。ドラコはいったい何を、どこまで知っているのだろう……。
 そんな事を考えている間に、片付けは終わってしまった。そして遂にトレバーの公開処刑の時間が迫って来た。ネビルは震えており、それを見てスネイプはご満悦そうだった。

「ロングボトムのヒキガエルがどうなるか、よく見たまえ。もし『縮み薬』が出来上がっているならカエルはオタマジャクシになる――が、間違っていたらヒキガエルは毒にやられるはずだ」

 ニタリと、スネイプはべっとりとした前髪の分け目から薄気味悪い微笑みを浮かべた。そしてトレバーを掴み、小さいひしゃくで無理矢理ネビルが作った『縮み薬』を口に流し込むと――なんとトレバーは毒で死ぬどころか見事オタマジャクシに変身した。これにはグリフィンドール生、全員がネビルに拍手喝采を送った。

「グリフィンドール、5点減点!」

 途端にグリフィンドールからの歓声が消えた。スネイプはローブから小さな小瓶を取り出してトレバーに2、3滴たらすと、オタマジャクシに姿を変えていたトレバーが元のヒキガエルの姿に戻った。そしてハーマイオニーの前に立って意地の悪い目つきでこう言った。

「手伝うなと言ったはずだ、ミス・グレンジャー。授業終了!」

 教室を移動している最中、グリフィンドール生は皆口々にスネイプの悪口を言った。勿論ロンもその1人で、廊下を歩きながら「どうして薬が成功したのに5点も減点されなくちゃならないんだ」と不平不満を口にしていた。

「ハーマイオニー、なんで黙ってたんだよ!ネビルが自分でやりましたって言えばよかったのに!!」

 しかし返事はなく、3人は不思議そうにあたりを見回した。だがどこにもハーマイオニーの姿は無かった。間違いなく、自分たちのすぐ後ろに居たはずなのに。
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