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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第27章 【本領発揮】


 運動音痴なクリスにとって、これはある意味1番辛い試験だった。その上、またあのボガートと戦うとなると神経がすり減らされた。しかしここには傷つける人は誰もいない。そう思うと自分自身に変身したボガートも楽々倒すことが出来た。

「良く出来たね」

 ルーピン先生が、あのにっこり笑った顔でほめてくれた。クリスは顔が真っ赤になり、お辞儀をすると、逃げる様にハリーの後ろに隠れた。
 クリスの次はハーマイオニーの番だった。そう言えば、ハーマイオニーがボガートと戦うところを見た事が無いと思い、ハリーとロンと一緒に見物していた。

 ハーマイオニーはボガートの所までは完璧にこなしていたが、いざトランクの中へ入ると、直ぐには出て来なかった。1分ほど経ってようやく出て来たと思ったら、大慌てで「ママママクゴナガル先生が、わ、私が全教科0点だって!!」といってパニックになりながら出て来た。
 これには3人とも笑ってしまった。ハーマイオニーがやっと落ち着きを取り戻し、4人で城へ帰る途中、ロンがボガートの事でハーマイオニーをからかっていたが、正面玄関の所にいた人を見かけ、4人は一斉におしゃべりを辞めた。

「やあ、これはこれはハリーじゃないか!試験はもう終わったのかね?」
「いえ、まだあと1つ残っています」

 相手は魔法省大臣のコーネリアス・ファッジだった。ハリーはもちろん、一応クリスとロンも1年前に1度会っているのだが、あの時は透明マントに隠れていたので、気軽に話せる相手ではない。ハリーとファッジと少し距離をおきながら、耳だけはそちらに集中していた。

「今日はいい天気だね。ああ……それなのに面倒な事になってね。『危険生物処理委員会』が私に凶暴なヒッポグリフの裁判に立ち会ってくれと言うのだ。シリウス・ブラックの件でホグワーツに来たのだが、ついでにこちらにも顔を出せと言うわけだ」
「もう控訴裁判は終わったんですか?」
「いや、まだだ。今日の午後から行う予定だよ」
「じゃあ、まだハグリッドが控訴裁判で勝つ可能性があるわけですね?」
「う~む、それが、まあ……」

 ファッジが言葉を濁していると、玄関の大きな扉を開き、中からよぼよぼの魔法使いと、筋骨隆々な魔法使いが現れた。きっと『危険生物処理委員会』の人達だと予想がついた。
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