第24章 幸村の誕生日
華月が指定した七夕の日。
幸村は安土に来ていた。
(だって、会いたいって言うから)
幸村は華月が何故、七夕の日を指定したかなんて、毛頭気にしていない。
好きな女(ひと)に「会いたい』と伝えられて、会いに来ない男は居ない。
ただそれだけ。
「楽しんで来いよ」
出掛けに信玄にニヤニヤと笑われながら声をかけられた。
隠しても隠しきれない、歓喜を見透かされ、恥ずかしくなった。
「え…あ…はい…////」
幸村は小声で答えながら顔を背けた。
そんな幸村に、
「照れてるのか?
かっわいいなぁー、幸はっっ」
「ばっ、ばっ、馬鹿にしてるでしょ⁉︎」
「いーーーや、別にっっ。
若いって良いなぁ、って思うだけだよ」
「嘘だ」
ボソッと幸村が拗ねた。