第5章 第二夜
「ちゃんとやってるわよ」
「それならいいけどさ。あ…弥生から聞いたけど新しい人MEEOに入ったんだって?」
「あぁ、篠原くんのこと?」
奏は再びパソコンと向き合い蓮斗に返事する
「あの夕紀さんの子供らしいじゃん」
「その辺の情報はしっかりあんのね、あんた」
「あはは」
チラッと横目で蓮斗を見る
彼は楽しそうに笑いながら近くのソファーに座る
「でも彼を侮らないほうがいいと思うけど?」
「夕紀さんの子供だから?」
「……」
奏は椅子をクルッと回して蓮斗の方を向いてクスッと笑い
「確かに夕紀さんの子供だけど、夕紀さん以上に力が強そうだからね」
「……へぇ。そいつは楽しみだな。ま、期待はしてますよ特別総指揮官サマ」
蓮斗はわざとらしく言うと部屋から出て行くのだった
一人になった奏は窓に近付き街の様子や景色を見つめる
「……“特別総指揮官サマ”ね」
ボソリと呟く
「さっきと終わらせないといけないわね…。二度とあんな悲劇を繰り返さないためにも…」
真っ赤な夕日が奏を照らすのだった