第5章 Fight
騎馬戦を終え戻ってきた皆は汗だくでそれでも輝いて見えた。
昼食を終えると何故か女の子達が集まっていて私も呼ばれるままに着いていく。
「まりさん……残念でしたわね」
「頑張ったんだけどね、実力不足だったよ」
「そんな!一度トップになったじゃありませんか!」
「そうだよ!フラフラんなってもゴールしたのかっこよかったよ!」
八百万さん──改め、百ちゃんとお茶子ちゃんに励まされる。私も来年はもっと格好良くゴールすると笑って意気込んでみせた。
実は体育祭までの期間に、個性の使い方についてアドバイスをもらううち、八百万さんとも親しくなってお互い名前で呼び合うようになった。
更衣室に着くと、百ちゃんがひらひらした服を何着も生み出し始める。異様な光景に目を瞬かせた。
「あのーこれ、何するの?」
「午後のレクリエーションは女子はチアになって応援するらしいよ!」
「えっ、えええ……?」
「ヤオモモが衣装出してくれてるから皆着替えるよ!おー!」
「えええええぇ……」
やる気満々な透ちゃんに反して、私と響香ちゃんは項垂れる。
「綿世はコスチュームと同じようなもんじゃん」
「いや、あれは個性使うために仕方なくなんだよ……」
「ほら二人とも着替える着替える!」
三奈ちゃんにせっつかれて渋々着替えを済ませた。
こ、これで観衆の前にでなきゃいけないの?テレビで中継されてるんだよね?相当恥ずかしいぞこれ。
羞恥で顔が熱くなる。でもそれは皆も同じなようだ。一部ノリノリな人もいるけど……!
休憩時間が終わり連れ立って入場すると、なんと、チアの格好をしているのは私達A組女子だけだった。ますます顔が赤くなってポンポンで顔を隠した。
「峰田さん!上鳴さん!騙しましたわね!?」
発端はあの二人だったのか、と溜息を零す。騙されちゃうピュアな百ちゃんは大人っぽい見た目に反して可愛くて。項垂れる背中をよしよしと撫でた。
恨むべきは峰田くんと上鳴くんだ。なんか勝手に写真撮ってるし。
「いいんじゃない!やったろ!まりも一緒にやろ!」
「えっ!私も!?」
透ちゃんに腕を組まれてなんだかんだ一緒に応援する事になった。
これからトーナメントのくじを引いてチームを決めてからレクリエーションだ。
あの紫髪の人もいるはずだ。辺りを見渡して彼の姿を探した。