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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第1章 再会とキスの仕方


運転席のドアから逃げるように車を降りた。


夜風が心地よい。
キスで濡れた体は、あまりにも素直すぎて気持ち悪い。
あの言葉はどんな意図があったのだろう。

一つ一つ、繋ぎ合わせる。

別れようと言われたあの日から、今日の出来事を。
深く追求してはいけない。
二度と関わりたくない。
そう、思っていたけれど。

“潜入捜査”

知力のない私が導いた、結論。
そう考えると“安室透の恋人”もどこか納得いく。
協力者になれば、自分の正体を黙らせることができる…または、監視することができる。
そういうことか、と笑ってしまった。
関わってはいけない。
明日になったら毛利先輩に退職を申し出よう。
そっと心に決めて空を見上げた。
街明かりに星空の光が消されてる。
私はもう、そういう世界から足を引いた。

だから二度と会いたくない。
(だけど今すぐ会いたい)

顔も声も今すぐ忘れたい。
(忘れられるわけがない)

降谷零に触れたい。
(安室透の恋人になりたい)

思い出したくなかった気持ちが溢れる。
私があの世界から離れたのは、いつか降谷零の訃報を聞いてしまう怖さ。
それだけじゃなくて。
何かあった時に、聞かされることすらないかもしれない怖さ。

何度も、何度も知らされた。
何度も守れなかった。

もう、あんな怖さは味わいたくない。

『○○、あいつのことまだ好きか?』

あれはいつ、聞かれたんだろう。

『その気持ちが変わらずに次会った時、黙って抱きついてやれ』

からかわれているのだとわかってはいたけれど。
いつか会ったときに、あの頃はそう思っていた。

「私はもう、あの頃と同じ気持ちになれないよ…伊達さん」

疲れ果てた心を休ませたくてタクシーを呼び止め自宅に帰りシャワーを浴びた。
濡れた髪をそのままにベッドへ倒れこむ。
何度も唇を洗って、歯磨きをしたけれど消えないキスの感覚。
何も考えたくない。
何も思い出したくない。
もう嫌だ。

…頭がぼんやりとする。

全てが嫌で、考えることを放棄するように襲いかかる睡魔に身を任せた。


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