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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第9章 初めての依頼人


朝から変わらないニュース。
昨日も今日も、今週ずっとあの銀行強盗なニュースで持ちきりだった。
その日は土曜日なので、コナンくんと蘭さんが朝から事務所にいた。

「朝からこのニュースばっかだな」
「仕方ないよ…この事件が起きてから一週間経ってないし銀行員の一人が撃たれてなくなってるらしいし」
「○○姉ちゃん、あのニュースまとめてる?」
「うん、まとめてるよ。見る?」

パソコン画面が見えるように膝に抱き上げる。

「カッコつけて強盗犯に刃向かったから殺られちまったんだろ?」
「刃向かったんじゃないと思うよ」

まとめた資料をカーソルを合わせながら全体を読んでいて。

「その時、銀行にいたお客さんの話だと…『オーケー、もう止めてくれ』って犯人を宥めようとしていたみたいだし」
「…改めて見直しても…やなニュースだね」
「○○姉ちゃん近い!」

コナンくんの肩に顎を乗せて抱きしめた。
子供の体温はなんだか心を安らげる。
顔が近い、と反応が可愛くてついついもっと抱きしめた。

「しかし、悪い事はできませんねぇ。強奪した二億円のほとんどは本店に搬入されたばかりの新札で、紙幣の記番号がまるわかりだったんですから…」
「あぁ、使うに使えねぇ金をつかまされたその強盗犯が捕まるのも時間の問題……ってなんでお前がここに!?」

突然の声に顔を上げた。
いつ扉が開いたのか分からなかった。
安室さんは、両手で持ったハムサンドが盛り付けられているお皿を見せて。

「お世話になっている毛利先生にサンドイッチのサービスを!もちろんお代は僕持ちで」

そういえば今度持って来るって言ってたな、と先日の時間を思い出して少し気持ちが熱くなった。
下ろして、と訴えるコナンくんを渋々下ろす。
…ほんっと、面白い子だなぁなんて。

「今日来られる依頼人はどんな事件を?」

安室さんが推理するように今日毛利先輩の予定を当てる。どうしてわかるんだ、と先輩が言えば楽しげに先輩の座るソファの背もたれに手を置いて話す。

「そりゃー、わかりますよ。休日のお昼といえば大概、先生は競馬新聞を手にダラっとしてらっしゃるのに…今日は、無精髭を剃りネクタイをきちんと締めて誰かが訪ねて来るのを待ち構えている様子。○○さんもいらっしゃいますし…それに、この時間は沖野ヨーコのライブのオンエア中…」


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