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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第5章 ホームページ制作と不器用な我慢


言葉にならない感情だった。不意打ちで会ったら、泣くかと思った。泣かなかったけど。
自宅に帰らずマンション近くの公園のブランコに座ってのんびり月を見上げていると、携帯が鳴った。
“安室透”と表示される画面を確認して、ポケットにしまう。
話したくない。そんな感情が浮かんでいて。
長いコールのあと、一度切れるともう一度鳴り響く。
電源を落としてしまおうかともう一度画面を開けば“降谷零”と表示される画面に、自然と通話ボタンを押していた。

『やっとでた』

電話越しに聞こえる少し疲れたような焦っているような声。

『どこいる?…家に入ってもいないから、心配した』

ああ、あの合鍵使ってもらえたのかなんてどこか他人事のように考えた。

『○○?』
「…さっきはごめんなさい」
『いや…怒ってないから、いまどこにいる?』

迎えに行くと優しい声音に涙がでそうで。

「大丈夫、これから帰るとこだから…零は明日ポアロ?」
『明日はポアロで午前中のみだから、…終わったら出かけないか』
「大丈夫、気にしないで体を休めて」
『…じゃあ、○○の部屋で休ませてもらう』
「なんだか今日強引だね、零」

ブランコを漕ぎながら、空を見上げた。…街の明かりから少し外れているせいか、いつもよりきれいに見える気がする。

「気にかけてくれてありがとう。でも大丈夫だから」
『… ○○ 、今どこにいるのか今すぐ言え』
「怖いよ、零」

長い沈黙。零がなぜか怒ってる。
…怒らせたのは、私の態度か。

「…マンション裏、少し行ったとこの公園。でも本当に今すぐ帰るから」
『ここにいる』

わかった、と電話を切ろうとすると止められて。零と電話と繋げたままマンションに向かう。
マンションに近づけば、入口付近に立つ男の影。

「○○」
「安室さん…」

電話越しなら“零”と呼ぶのに、目の前にすると最近では慣れてしまった“安室さん”。
目の前にいる人に触れたいのに、どう接したらいいのかわからなくて笑顔を張り付ける。

「…時間がとれなくて、やっと時間がとれて…ここに来る途中だった」

零が手首を掴み、引き寄せて零の腕の中に抱きしめられる。

「やっと触れた…」

我慢させてごめん、と耳元で甘い声。
何かが壊れたように、私は泣き出していた。
零にしっかり抱き着いて。



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