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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第26章 接触


沖矢さんに言われ、盗聴器を調べられるからつけずに東都ホテルに向かった。
ここから先は私の安室透への忠誠心が試されると言われて。
0921号室の扉を叩けば、中から金髪の綺麗な女性が現れて。

「はじめまして、○○さん」

とても綺麗な笑顔で、見惚れてしまいそうになった。
その人がベルモットと呼ばれる人だと、沖矢さんからの情報と一致して頭を下げた。
…怖くて。
震えを誤魔化して笑みを浮かべる。

零、私は…
あなたのそばにいたいだけだった。
貴方が私を遠ざけたい理由も知らないまま、中途半端に近づいて。
貴方の弱味になんてなりたくなかったのに。

「バーボンの恋人…バーボンだと分からないわよね。安室透の恋人よね?貴女」
「………はい」
「それなら単刀直入に聞くわ。組織に入らないかしら」

もちろん断ったら貴女もバーボンも命はないわととても綺麗な。
…同じ女としても、目を惹くその表情は…工藤新一くんのお母さんを思い浮かべた。
あの人も、同じ魅力を放っていたなって。

「おっしゃってる意味が、わかりません」
「貴女が私たちのことを調べようとしてるのはわかってるわ」

殺されるか、協力するか。

「恋をするのはとても良いことだわ……それが、普通の恋ならね」

助けてほしい、そう思った。

「私の前で演じようとしても無駄よ?…それに、バーボンにハニートラップを教えたのは私よ」
「…はい…?」
「彼とセックスは心地よかったかしら?それなら…私とのことが役に立ったということね」

…私は、挑発されている。
私は零に教わった。
私は、零のことしか知らない。
なのに
私の知らない間のことは、零は…

「そんな泣きそうな顔しなくても大丈夫よ。恋愛感情は一切ないわ」

その人は、私にキスをしてきた。
…泣きそうだった気持ちが、壊れて…涙を流して抵抗をした。
その人のキスは…
零のキスに、そっくりだった。

「…どう?彼のこと、思い出せたかしら」
「…っ…いっそ…殺してください…」

こんな惨めな思いをするなら。
零とのキスに…私はこれから先、この人のことを思い浮かべるのだと…実感した。

「嫌よ…貴女、とても……役に立ちそうだもの」



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