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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第3章 運命の番(2)…松田陣平>>1


ギシリとベッドが軋む。私は軽々と横抱きにされるとベッドへ放り投げられてしまった。痛みはないにしろ驚きで目をつぶりゆっくり開ければ、サングラスを外しネクタイを緩めた男がいる。陣平さんは後天性のΩだ。元々はβであったがΩの研二さんと濃いαの私に出会ってしまい一気に身体の作りがΩになってしまったようだ。Ωなのにどこか俺様に命令するセックスはそのせいから来るようで、そして私は今まさに陣平さんに押し倒されていたりする。

「発情期ですか?」
「はぁ、はっ…春枝。俺とセックスしろよ」
「巣作りをするわけではなく私を押し倒すというのは、陣平さんらしいといえばいいのか…」

私の上に覆い被さって来た陣平さんがとても愛おしくて手を伸ばす。頬をよしよしと撫でればビクンと身体が反応し、じわじわと顔を赤く染めあげた。身をよじり嫌がる素振りを見せるが、それはただ恥ずかしいだけであって本気で嫌がっているわけではないと私は知っている。それがまた可愛らしくてわざといやらしい手付きで首筋を指先でするりと撫で上げる。

「んんっ、おぃ…くすぐってぇ」
「ふふ、私の陣平さんが…カッコよくて可愛いなと思いまして」
「っ、うっせ…」

愛おしい番の陣平さんにキスがしたいと起き上がる。ふわふわと指に絡み付く黒髪の天然パーマを手で優しく解きながら、触れるだけのキスをした。恋人の戯れのように離れていく唇と近い距離にある陣平さんの切なげな表情にドクンと心臓が跳ねる。ムラッと来たのだ、普段は俺様な雰囲気があるくせに、セックスは受けで私の下でドロドロになるくらい喘いでいる。そのギャップがたまらない。

「今日は趣旨を変えて見ます?毎回同じじゃ退屈でしょうし、マンネリ化防止の為に…」
「へぇ、なにやってくれるんだ?」
「そうですね…やっぱりそこは警察官ですから、拘束や目隠しプレイなんてどうでしょう?」
「は?あ、ちょっ…」

きょとんとする陣平さんが可愛らしいと思い微笑みつつ彼のネクタイを解いた。手首周りを拘束してアイマスクを取りに行く。本当に嫌がったのなら軽く結んであるネクタイは自分で解けるだろうし、なにより私のことを待つ陣平さんがいじらしくてもっと焦らしたい衝動に駆られてしまう。アイマスクを手に取り、ギシリとスプリング音を聞く。アイマスクで陣平さんの目を塞ぐとゆったりした動作で私がキスをしながら押し倒した。
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