第2章 中編 古代都市シャンドラ
シャンドラに神が住み着くという、何とも理解できない状況から数日が経った。
あれから変わったことは、山ほどある。
まずシャンドラの国が、空中に浮いたことだ。
国王になんの断りもなく、何時の間にか神々が勝手にやったのだ。
お偉いさん方は高い場所が好きなのだろか。
当然、理由も原理も不明だ。
確かに空中に浮かんでしまえば、他国からの侵略なんて早々ないだろう。
その点は確かに助かるが、地上に降りる時が非常に面倒だ。
今のところプルトンがその役割を果たしてくれているが、元に戻してくれればいいものを。
因みにプルトンとポセイドンは行く宛がないので、取り合えずシャンドラに住み着くことになった。
これで晴れて、神に加えて古代兵器3体がシャンドラに揃うことになる。
戦力の集中化もいいろことだ。
シャンクスはため息を吐くと、窓から見える街並みを眺める。
雲の上に浮かぶシャンドラの空は、久しぶりに見る青空が晴れ渡っていた。
国民も、家臣も、最初はこの状況に戸惑っていたが、慣れとは早いものでそれぞれ受け入れているようだった。
最弱と言われていたこの国だが、恐らく今となっては最強なのだろう。
シャンドラの繁栄を約束すると言っていたとおり、この国は裕福になった。
食料も資源も無限に与えられ、何も不自由しない。
そして防衛も最強ときたもんだ。
恐らく、いい意味でも悪い意味でも、この国は目立つだろう。
カーン
カーン
シャンクスが物思いに耽っていると、不意に聞こえてきた鐘の音。
日の暮れを知らせるその鐘は、数日前に作られたものだ。
神を祀る祭壇と共に作られた鐘。
神々はその姿を見せないが、鐘の音色が響く限り、そこにいるらしい。
ここ数日で、色んなものが変わってしまった。
これから起こりうる未来に備えて色々考えなければと思うと、頭が痛かった。