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あなたを守るために

第8章 テニスで勝負



『はぁ…疲れた』


私はシャワーを浴びて、自分の車へ戻っていた
久しぶりに体を動かしたのと、相手が零くんだった事もあり疲労がすごい


『でも……楽しかった…』


一度、伸びをしてエンジンをかける
出ようとした時、すみませんと呼び止められた
見ると零くんがこちらに走ってきている


《はぁ…はぁ…よかった、間に合って…》

『どうかされました?』

《酷いじゃないですか
また午後からしましょうって言ったのはあなたの方ですよ?
それに名前も聞いていませんし》

『覚えていたんですね
すみません、急な仕事が入ったもので…』


ここから離れるための嘘を平気でつく


《仕事なら、仕方ないですね…》


子供のようにしょんぼりする彼に笑ってしまう


『ふふっ、嬉しいですけど誰にでもそうなんですか?』

《そう…とは?》

『誰にでもそうやって声かけてるのかなと思って』

《そ、そんな訳ないですよ!ただ、あなたが僕の想っている方に似てたので…》


(それはきっとあたしじゃないんだろうな…)


『それはちょっと妬けますね
直接その方に会いに行ったらいいじゃないですか』


思わずムッとしてしまう


《それも…そうですね
でも、どこに住んでるかも分かりませんし…
会う手段が今の所ないんですよね》


零くんに想われてる人がうらやましい
それが自分だったらと何度、考えたことか
私は黙ってしまう


《すみません…初対面の方に話すことじゃなかったですね
引き止めてしまい、すみませんでした。》


それだけ言って戻っていった


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